NOVEL 小ネタ(〜1000)

秘書しぼ〜小ネタ7


 病院に勤めている縁壱の友人から「記念撮影だ」とX線写真を撮られた。兄弟二人が並んで座っているX線写真だ。記念というのは誕生日の記念ということだったらしい。黒死牟自身はすっかり忘れていたが。

 縁壱が紫のバラのブーケを持ち出して彼に渡したので、おそらく黒幕は縁壱なのだろう。縁壱は聞いてもいない花言葉まで教えてくれた。そしてもじもじしながら「お誕生日おめでとうございます」と言う。  
 お前も同じ誕生日だろうと思ったし舌の付け根あたりまでその言葉が出かかったが、お前が楽しいなら何でもいいよ、という気分だった。  
 結局「お前も誕生日おめでとう」と返して昼食を奢った。手作りがよかったと言われたが無視をした。

 後日縁壱から送られてきた写真には、そっくりな骸骨が二人分並んでいた。  
 ブーケと骨が重なっている部分がなんだか面白くて、ふふ、と笑ってしまう。

 悪くないプレゼントだった。